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団地の最上階
テーマ: 団地の最上階
生成日時: 2026/02/02 00:00
# 団地の最上階
五階建ての団地に住んでいる。築四十年。どの棟も同じ形をしている。
私の部屋は四階。いつも階段を使う。健康のためだ。
ある日、五階を通り過ぎてしまった。考え事をしていて、気づいたら階段を上り続けていた。
六階に着いた。
五階建てなのに。
目の前には、廊下が続いていた。五階と同じ構造。同じドアが並んでいる。でも、照明が暗い。電球が切れているのか。
一歩踏み出した。床が軋んだ。埃っぽい匂いがする。
一番手前のドアに、表札があった。名前を読もうとしたが、かすれて読めない。
ノックしてみた。返事はない。ドアノブを回した。鍵はかかっていなかった。
中を覗いた。暗い部屋。でも、奥に人影が見えた。椅子に座っている。こちらに背を向けて。
「すみません」
声をかけた。人影が動いた。ゆっくりと、こちらに振り返ろうとしている。
私は逃げた。階段を駆け下りた。五階、四階、三階——
自分の部屋に戻り、ドアを閉めた。
翌日、管理人に聞いた。「この団地、六階はありますか」
「ありませんよ。五階建てです」
「昨日、六階に——」
「それは見間違いでしょう。屋上に通じる階段がありますが、鍵がかかっています」
屋上への扉を確認した。確かに鍵がかかっている。錆びついて、何年も開けていない様子だ。
でも、鍵穴を覗くと、向こう側に光が見えた。人が住んでいるような、温かい光が。