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コピー機の怪
テーマ: コピー機の怪
生成日時: 2026/02/12 00:00
# コピー機の怪
深夜のオフィスで残業していた。
私以外に誰もいない。空調の音だけが響いている。締め切りに追われて、資料を作成していた。
印刷しようと、コピー機の前に行った。電源を入れる。ウィーン、と起動音がした。
原稿をセットして、コピーボタンを押した。機械が動き始める。
一枚目が出てきた。確認した。正常にコピーされている。
二枚目が出てきた。これも正常——いや、違う。
セットした原稿と、違う内容がコピーされていた。
文字だ。タイプライターで打ったような、古い書体の文字。文章が書かれている。
「助けて」
三枚目が出てきた。また違う内容。
「ここにいる」
四枚目。
「出られない」
コピー機を止めようとした。でも、止まらなかった。紙が出続ける。
「見つけて」
「忘れないで」
「コピーして」
最後の一枚が出てきた。そこには、一行だけ書かれていた。
「私の名前は——」
名前の部分は、かすれて読めなかった。
その時、音がした。コピー機の中から。カタカタ、と。キーボードを打つような音。
誰かが、文章を打っている。コピー機の中で。
ガラス面を覗いた。原稿は私がセットしたものだけ。他には何もない。でも、音は続いている。
カタカタカタ、カタ、カタカタ。
新しい紙が出てきた。
「あなたもコピーする」
私は逃げた。オフィスを飛び出した。
翌日、同僚がコピー機を使っていた。「おい、これ見ろよ」
同僚が見せてきた紙には、私の顔写真がコピーされていた。セットした覚えのない、私の顔が。