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#0015

海辺の廃旅館

テーマ: 海辺の廃旅館

生成日時: 2026/01/24 00:00


# 海辺の廃旅館 廃墟探索が趣味だった。その日は、海沿いの古い旅館を訪れた。十年前に閉館したという。 建物は思ったより状態がよかった。玄関の引き戸は開いたまま。中に入ると、埃の匂いと、かすかに潮の香りがした。 ロビーを抜け、廊下を進む。客室のドアが並んでいる。どの部屋も空っぽだ。畳が腐り、壁紙が剥がれている。 二階に上がった時、異変に気づいた。 廊下の奥に、明かりが漏れている。 近づいてみると、一室だけドアが閉まっていた。隙間から、オレンジ色の光が漏れている。中から、テレビの音らしきものが聞こえる。 ノックした。返事はない。ドアを開けた。 部屋は——営業中のように、きれいだった。布団が敷かれ、テーブルには急須と湯呑み。テレビがついている。 「いらっしゃいませ」 声がして、振り返った。仲居の格好をした女性が立っていた。 「ご予約のお客様ですね」 「いえ、予約は——」 「お部屋にご案内します」 女性は微笑んだ。でも、目が笑っていなかった。 私は逃げ出した。階段を駆け下り、玄関から外に出た。 車に戻り、スマートフォンでこの旅館を検索した。 画面には「404 Not Found」と表示された。 このページは存在しません。 でも、確かに建物はそこにある。さっきまで、中にいた。 もう一度検索した。何度検索しても、同じ結果。この旅館は、インターネット上に存在しない。 車を出そうとして、バックミラーを見た。 二階の窓から、誰かがこちらを見ていた。